正論、ダメ!絶対!
毎日新聞の記事から
PTA活動の改革に取り組んだ政治学者の話です。
紙面では2021年5月26日(水)からの連載になっています。
PTA活動ではまだが無駄が多いように思います。
何のためにやっているのかわからない活動すら慣行として続けられています。
それを変えたいと思っている人は多いはず。
ところが変えようとするとそれに反対する人もいるというのです。
正論では動かない人たち
PTAは以前にも書いたとおりボランタリーなものです。
それでも、今まで苦しい思いをしながら続けてきた人たちがいるのです。
改革のために「じゃあ、やめましょう」というのは、その苦労を全否定してしまう。
だから、PTAの中の人たちは、えっ、となってしまうと言うのです。
なるほど、それは確かにつらいかもしれません。
そこで、今までの苦労をねぎらった上で、対案を出すことにしたそうです。
これなら受け入れられやすいということです。
これで思い出したことがあります。
「今ここにある危機とぼくの好感度について」というドラマです。
そう、話題になった、「正論、ダメ!絶対!」という広報課長のセリフです。
このときは政府や五輪委員会の発言に対する皮肉として捉えました。
一方で、見方を変えると正しい面もあるのかもしれないと思いました。
広報としては受け入れられやすい言葉に変更していくことは必要なのかもしれません。
これは何にでも共通すること
これは環境問題や人権問題で運動していく上でも当てはまることなのかもしれません。
みんな、正しいことはわかっている。
でも、受け入れられない。
これを変えて行くにはじわじわと効く言葉から始める必要があるのかもしれません。
今の政府の姿勢を正していくには、声をあげることは大事です。
でも強い言葉は強い反発も生みます。
うまく受け入れられる言葉を見つける。
これが重要です。
和文和訳の難しさ
このことを、冒頭で紹介した政治学者の岡田憲治さんは「和文和訳」と言っています。
理解し、受け入れられてもらえる言葉を探すことを怠ってはいけないと思います。
それでも、時間がかかります。
PTAや環境問題、人権問題など時間的に「すぐに!」という切迫した問題もあります。
焦りますが、反対されてしまっては元も子もありません。
何とか受け入れられる活動ができるよう考え続けることも大切なことだと思いました。
そんな活動ができないか、トライアンドエラーでやり続けたいと思います。