嘘をつくのが嫌いなわけ
特別お題「今だから話せること」
私は嘘をつくのが嫌いです
苦手とか上手くないとかいうのではなく
嫌いなのです
答えに困るようなことがある時には
はぐらかすことはあっても嘘はついていません
それは嘘をついて嫌な思いをしたことが
あるからです
まだ小学2年生の時
1年ほどドイツに住んでいました
そこでは友達ができるまでは
ほとんど妹と二人でよく遊びました
大抵は仲良く遊んでいたと思いますが
ある時ドイツで初めて買ってもらった
マジックを使ってお絵描きをしていました
その時にマジックのキャップを
慣れないソファのクッションの下に
落としてしまったのです
とろうとしましたが取れませんでした
そして私は知らんぷりをして
そのままにしておきました
片付けの時に母にキャップのことを
聞かれましたが知らないふりをしました
するとそれが妹のせいになってしまいました
妹が怒られている間も言い出せず
それ以後も言うことはできませんでした
ずっとそれが心に棘のように
刺さってしまいました
日本に戻って数年経って
思い切って打ち明けた時には誰もその事を
覚えていませんでした
でも嘘をついた私だけが覚えているのです
いまだにその棘を抜くことはできません
許してもらうも何も誰も覚えてないのですから
仕方がありません
ああ、この後味の悪さから
逃れる術はないのです
だからもう嘘はつかないと思います