未来のコンパス

教育、環境問題についての思いや学びについて綴ります。

【レビュー】クララとお日さま

カズオ・イシグロの『クララとお日さま』

昨年出ていたのに気づかず

遅ればせながら読みました

f:id:saho-tamura:20221122085642j:image

カズオ・イシグロノーベル賞受賞を

きっかけに知りました

作品を一気読みしました

 

きっかけは受賞したことですが

受賞したからとか流行りだからとかではなく

世界観が好きになりました

非常に優しく、朧なイメージ

それでいて

テーマは現代より少し先に問題となるであろう

そんなことを複数絡めて作品にしている

そういった作品たちでした

f:id:saho-tamura:20221122085828j:image

当時1番印象に残ったのは

日の名残り』でしたが

今回の『クララとお日さま』は

それを超えたかもしれない

そう思いました

f:id:saho-tamura:20221122085951j:image

1人称で語られる物語が多いですが

このお話の1人称はヒトではなく

AFと呼ばれる人工知能を持ったお友だちロボ

人工知能に関することの倫理的・技術的問題

そんなお話かな…と読み進めていくと

とんでもない方へ話は進んでいきます

人間らしさとは何か

人間の命とは何か

尊厳とは

格差とはなどなど

深く深く考えずにはいられない

そんな本でした

f:id:saho-tamura:20221122085758j:image

そして読後感は

温かい中にもすうっと寂しさがかすめていく

すばらしい読書体験となりました

またあらためてほかの作品も

読み直したい

そう思いました