【レビュー】クララとお日さま
カズオ・イシグロの『クララとお日さま』
昨年出ていたのに気づかず
遅ればせながら読みました
きっかけに知りました
作品を一気読みしました
きっかけは受賞したことですが
受賞したからとか流行りだからとかではなく
世界観が好きになりました
非常に優しく、朧なイメージ
それでいて
テーマは現代より少し先に問題となるであろう
そんなことを複数絡めて作品にしている
そういった作品たちでした
当時1番印象に残ったのは
『日の名残り』でしたが
今回の『クララとお日さま』は
それを超えたかもしれない
そう思いました
1人称で語られる物語が多いですが
このお話の1人称はヒトではなく
AFと呼ばれる人工知能を持ったお友だちロボ
人工知能に関することの倫理的・技術的問題
そんなお話かな…と読み進めていくと
とんでもない方へ話は進んでいきます
人間らしさとは何か
人間の命とは何か
尊厳とは
格差とはなどなど
深く深く考えずにはいられない
そんな本でした
そして読後感は
温かい中にもすうっと寂しさがかすめていく
すばらしい読書体験となりました
またあらためてほかの作品も
読み直したい
そう思いました