未来のコンパス

教育、環境問題についての思いや学びについて綴ります。

閉じ込め空間としての教室

 

小手先の技術

2019年9月29日の朝日新聞の教育欄に次のような記事が出ていた。

 

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アクティブラーニングとは言うけれど

机の高さと移動を可動式の物にして、

授業中の話し合い活動を活発に、という。

座って先生の言うことを聴くだけの授業は

もはや苦痛である。

全くもってその通りである。

しかし、机が変わればそれで

子どもたちの学びが活発になるのか?

 

根本的な問題

ニュージーランドにこの夏、

子どもがホームステイに行った。

そこで小学校の様子を撮ってきてくれた。

 

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小学校の教室

この違い、わかるだろうか?

教室では

自由に歩き回っていいのだ。

机やいすも自由に移動して良いし、

はじめから前を向いていない。

トイレももちろん自由に行く。

不登校が近年また増加傾向にある。

この原因は様々だろうが、

息苦しさは確実に増している。

この息苦しさが教室に

閉じ込められている子どもたちを

苦しめている。

不登校についてはまた後日述べたい。

 

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自由な意見交換

話し合いをする高校生の様子だが、

話し合い活動にしても

机云々という問題ではない。

この写真からも分かってもらえるだろう。

そもそも、

  • 自分たちの問題として話し合いの当事者性を持っているか
  • 興味を持てる内容か
  • 解決することのメリットが見えているか
  • エウレカのある話し合いになりそうか

など、話し合いを活発にするための方法は

たくさんあるはずだ。

つまらない学習活動だから

いつも同じ子が発言をし、

いつも同じようなまとめになり、

どうせ言っても無駄でしょ、

という感覚に子どもたちが陥るのである。

そして、教室は居たくない、

「閉じ込められている場所」になる。

 

昔から行われていた?

そもそも、学校では話し合い活動や

学び合いはさかんに行われていた。

それはいつか。

いわゆるゆとり世代」と

揶揄される時代でまでである。

あの頃までは、

総合的な学習の時間を

子どもたちと作り上げたり、

その他の教科でも、

意見を出し合ったり、

教えあったり、

話し合ったりする活動が

普通に行われていた。

ゆとり世代

その最後の時期だったと言って良い。

 

なぜ今アクティブラーニングか?

アクティブラーニングは新しい言葉だが、

昔から学校では一般的に行われていた。

それが近年の「学びのすすめ」ブーム

つまらない教え込みになってしまった。

先生方のせいではない。

なぜなら、

「やらなければいけないこと」と

「やらなければいけない時間」

をこなすだけで精一杯だからだ。

学習指導要領の改訂によって

改善を試みようとしているのであろうが、

学習指導要領の中身を見ると、

教師の創意工夫をそぐような

記述ばかりである。

 

 上の総則編の他に各教科に解説がある。

教科によっては細かい記述が増え、

(つまり縛りが増えた

以前の指導要領に比べ3倍くらいの厚さに

なっている教科もある。

だから創意工夫などできる時間もなく、

つまらない授業になる。

この状況を改善しない限り、

アクティブラーニングは

絵に描いた餅になる。