未来のコンパス

教育、環境問題についての思いや学びについて綴ります。

民主主義と多数決

多数決が民主主義?

最近Twitter界隈で聞かれる「多数決だから民主主義的」。

本当にそうでしょうか。

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学校で「民主主義とは何か」ということを教えることはほんのわずかな時間です。

しかし、普段の学校生活の中で民主主義を体験するようになっているはずです。

人生最初の民主主義?

学校では学級活動があります。

これが人生で初めての民主主義ではないかと思っています。

そこでは話し合いをします。

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話し合いでは、学級の困りごとやイベントの企画について話し合います。

「〇〇会をしよう」などという話し合いをしたことはありませんか?

それが学級活動です。

その時にどのような話し合い方をしているでしょうか。

学級活動での話し合い

2000年代に入り、学校がとても忙しくなりました。

安全にも気をつかうことがふえました。

放課後残っての補習、子どもたちと学級活動の準備をする時間がなくなりました。

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そのせいか、学級活動があまり充実できない学級も見られるのは残念です。

学級活動での話し合いは準備が大切です。

どのような話し合いの流れを作るか、司会をする子たちとまずは話し合います。

どうしたら話し合いが深まるかを考えるところから、もう民主主義は始まっています。

話し合いの流れ

あらかじめ、「このような話し合いをこのような流れでするよ」と知らせます。

それも司会をする子たちから知らせてもらいます。

話し合いが始まる前に自分の意見を書いておいてもらうこともあります。

そうすることでできるだけ多くの子たちが発言できるように準備してもらいます。

話し合いでは、多くの意見が出るでしょう。

イベントで考えても

などなど、たくさんでます。

そうしたときには、多数決をしません。

意見を聞くのです。

なぜそれがいいのか、理由をしっかり聞きます。

  • 〇〇ちゃんがけがをしているから、室内で遊べる方が良い。
  • 室内だと思い切り体を動かせないから外遊びが良い。
  • 雨が降ると困るから体育館が良い。

子どもたちによく聞くと良い意見がたくさん出ます。

そうする中で、「ああ、じゃあこういう方が良いかな」という意見に集約されます。

そこで司会が話し合いを閉じるのです。

「こういう意見が多いようですが、それで良ければ拍手をしてください」

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こんな感じです。

こういうたくさんの人の意見を聞き、少数意見も大切にして取り入れていく。

これが民主主義的話し合いとして学校では取り入れられています。

多数決の乱用

上でも書きましたが、今学校は忙しくなりすぎています。

この話し合いの時間を十分にとれないことが多くなっています。

そうすると、手っ取り早い多数決に頼ることになってしまいます。

多数決で決まると早いのですが、不満が残ることが多くなります。

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そういう経験はないでしょうか。

「本当はこっちが良かったのになあ」という納得できない感じが残ります。

そうすると学級活動は形骸化し、楽しくなくなります。

多数決の乱用は、社会でも広く行われるようになっています。

しかし、不満を押し殺している少数派がいることを忘れてはいけないと思います。