進まない温暖化対策
2015年12月12日に、パリ協定が採択された。
世界の科学者が事実報告するIPCC (気候変動に関する政府間パネル)の報告を元に、2030年までに産業革命以前と比較して1.5℃の気温上昇におさえることを目標にする。
そのためには2050年までにCO2の排出を0にする必要がある。
なぜ1.5℃なのか
2℃ではツバル、モルディブなどの国が海中に没する。さらに、1.5℃に比べると1000万人に影響が広がるという。
1.5℃に比べ、
海面が10cm高くなる
とも言われている。
海抜0メートル地帯のある日本でも人ごとではないだろう。
サンゴは1.5℃では3割くらいは残るが、
2℃では全滅
するとみられている。
現時点でも産業革命前に比べると1℃上昇しているという。
じゃあ、どうすればいいの?
個々人でできることは限られている。
シェアリングエコノミーや公共交通機関の利用等。
しかし、効果は微々たるもの。
つまりは政策決定者=政府、行政が動かないとダメなのだ。
我々ができることは
政策決定者に働きかけること
声をあげ続けていくこと
どんな政策があるの?
世界一般的には炭素税の導入、二酸化炭素の排出量取引が上げられる。
このことで、今までの二酸化炭素を出し続けるやり方から、
ゼロエミッション事業者が優遇
されることにつながる。しかし、日本では
コストがかかるとの理由から
前向きな検討はなされていない。
温暖化対策は大変?
以上見てきたように、日本では「温暖化対策=我慢」「温暖化対策=コストが高い」とネガティブに捉えられている。しかし、もう
世界はパラダイムシフト
している。つまり、1997年の京都議定書の時代には責任の押し付け合いだったものが、2015年のパリ協定ではいかに
クリーンな技術を売り込むか
という投資競争になっているのである。
日本ではベースロード電源として未だに原発を考えているようだが、世界では
をいかに安定させられるか、バッテリーをはじめとした技術開発に取り組んでいる。ベースロード電源という考え方自体が古くなっているのだということだ。
日本は競争から脱落し、さらに違う方向へと進んでいるように見えるのは私だけではないはずだ。だからこそ、今、2019年9月23日に行われた国連の気候会議において日本政府のやり方は、と疑問が呈されるのだ。
世界では
温暖化対策で
社会はよりよい方向へ
と動き、さらに個人レベルでも
生きやすい環境になる
という考え方に変わっている。日本人だけが、未だに温暖化は大変、温暖化は直接自分には関係ないと考えているように見えるのである。
温暖化はノーベル経済学賞でも
日本ではあまり話題にならなかったが、2018年のノーベル経済学賞はノードハウス氏。
彼はその著書『気候カジノ』において、
温暖化はもはや
倫理的な問題
であると述べている。
なぜなら、日本で排出された二酸化炭素によって他の国が影響を受けているのである。それを無視するのか。または、我々の世代が排出した二酸化炭素で影響を受けるのは子どもたち、孫たちの世代である。それを無視するのか。ということである。
子どもたちに「何でこんな世界にしちゃったの?何かできたんじゃないの?」と言われても、何も言い返せないようなことだけは避けたいものである。