【生を考える】ウルトラセブン4Kに怒り沸騰
キャラが出れば喜ぶと思うなよ
NHKのお昼の番組で、ウルトラセブンが4Kで蘇る、と宣伝していた。
番組に出演していたのはウルトラセブン。
そこまではなんとか許そう。(うちの子は許さないと思うが)
しかし!
そのあとモロボシダン役の…と出てきてしまったのだ。
お昼の子どもも見る時間帯に、セブンの地球での姿、ダンが一緒に出る⁉️
嬉しそうな男女のアナウンサー。
なぜそこで喜んでいる⁉️
全く子どもやファンの心理を理解していないことがわかる番組である。
ここであまりのことにブルブルする私を見ながら、ダンナがTVのスイッチを切った。
ダンナも『ウルトラセブン』のファンである。
何がダメなのか
ウルトラマンはハヤタ隊員に乗り移っているため、ハヤタとマンが一緒に出ても、おかしくはない。(しかしその場合、ハヤタはマンの存在を知らないはずだ)
しかし、セブンはマンとは違って、セブンが地球人モロボシダンに変身している。
同一人物なのだ。
だから、一緒に出てはいけないのだ。
しかも、「宇宙からの侵略者たる宇宙人から地球を守る」といったような紹介がされており、『ウルトラセブン』の本質をまるで理解していないということが見えた。
『ウルトラセブン』はその作られた科学万能主義の時代へのアンチテーゼと、人間への不信がメインテーマとみられている。
果たしてこの番組を作った人は、『ウルトラセブン』を見たことがあるのだろうか。
セブンの良さ
『ウルトラセブン』の良いところはストーリーだ。
先ほどにもふれたが、ウルトラセブンでは当時まだアメリカ占領下にあった沖縄出身の脚本家も参加している。
そこには沖縄を忘れ去ったかのような本土への不信感や人間同士で争う戦争の愚かさについて考えさせられる物語がいくつもある。
現代にも通じる、戦争や兵器所持の愚かさや人間という存在についてなど考えさせる内容のものも沢山あるのだ。
ノンマルトやメトロンなど、挙げればきりが無い。
確かに4Kになることで画面がきれいになって、見やすくなるところはあるだろう。
しかし、ウルトラセブンの真の良さはそこではない。
当時まだアメリカ占領下にあった沖縄出身の脚本家たちによる渾身のストーリーについて語らなくてはならないのだ。
もう30年近く前になるだろうか、NHK でもその脚本家たちの番組を作っているはずだ。
それを知らずして、この番組を流しているのだとしたら、NHK として勉強不足の謗りを免れないだろう。
ウルトラセブンには他のシリーズにはないメッセージ性があるのだ。
今後、4Kでご覧になる方は是非そこの辺に注目して見ていただきたい。
うちには『ウルトラセブン』はDVDが揃っているので、見ないことにする。