教員の働き方改革は子どもたちを幸せにする
教員の働き方について
最近、ようやく知られるようになってきた、教員の厳しい勤務。
3~4時間の残業は普通ですが、残業代も出ないと言うことをご存じでしょうか。
教員には公務員の給料のほかに、給特法により、4%割り増しした金額が出ています。
しかし、それだけでは全くカバーできていないのが実態です。
なぜならその4%という額は、1970年代の実態に合わせているからです。
2000年代にはいって、急激に忙しさを増していきました。
給与の額に見合わない業務量です。
田中まさお先生の裁判の結果
田中まさお先生(仮名)は埼玉県の現役の教員です。
田中まさお先生は3年前にこの状況を変えたいと、訴訟を起こされました。
2021年10月1日、判決がありました。
今回の裁判はさいたま地裁での結果です。
今回の争点は教員の時間外の勤務をどう扱うかということです。
自主的勤務ではなく、校長の命じた業務として認めてもらえるかというところでした。
教員の教材研究はきりがなく、それを勤務時間内だけで済ませることはありません。
日常生活ではっとひらめいたりして作り出すこともよくあります。
こういった特性からも、給特法で割り増しをもらい、残業はカウントしません。
しかし、現在行われる時間外勤務はほとんどが、必要に迫られて行っているものです。
これでは、教材研究の時間は全くとれません。
裁判に関しては以下のリンクに詳しいので興味のある方はぜひご覧ください。
残業代をなぜ請求するのか
残業代の請求をすることで、批判されることがあります。
「そんなにお金が欲しいのか」
「子どものために働いているのにお金の話をするなんて」
しかし、教員が残業代を請求するのには意味があります。
残業代を請求することで変わること
- 教員の給与が上がり、先生のなり手が増える→倍率増加により質の確保ができる
- 残業代を減らすため教員の働き方が、勤務時間に対して適正量になる
- 教員が適正に時間をとれることで子どもたちに直接接したり、授業準備をしたりすることができるようになり、きちんと還元できる
つまり、訴訟を起こすことで働き方の見直しをして欲しい。
子どものために使える時間が多くなる環境にして欲しい。
そういう思いで行っていると思います。
教員が訴訟を起こすのには勇気がいります。
公務員として行政の一端を担い、法に従うことを就職する際に宣誓しているからです。
保護者や学校そして何より子どもたちへの負の影響も心配されます。
それでも訴訟を起こすということは、よほどの覚悟がいります。
教員の働き方は直接子どもたちの教育に
教員は波風を立てることをその公務員という性質、教育職という特質のため嫌います。
しかし、それでも訴訟を起こし、声をあげることに大きな意味があります。
まずは、すぐ目の前の子どものために。
時間を取って子どもたちにそれを還元したいのです。
そして、将来社会を背負って立つ人たちのためです。
子どもたちは大きくなって、私たちの老後の社会を作る人になります。
その時に、豊かな生き方ができるようにと考えます。
そしてそれが持続的であるように、働き方を考えなくてはならないと思います。
教員の働き方が持続可能でないとしたら。
それを見て育つ子どもたちはどう思うでしょうか。
子どもたちが幸せな社会。
それはきっと今後の幸せな社会につながっていくのではないでしょうか。
ですから、教員の働き方をみんなの問題として捉えていただけると嬉しいです。