【映画レビュー】「精神0」精神的な病を持つ身には人ごとではない
仮設の映画館上映作品シリーズ
仮設の映画館で見た映画。
私にとってはもう4本目になる。
一つ見ると次々と見たくなるから不思議だ。
普段では近くではなかなか見られない作品ばかり。
仮設の映画館ではすぐに見られるからという意識も働いているのかもしれない。
私はiPadで鑑賞しているのだが、やはり映画館で見たいと思う。
音響や画面の大きさなどのことを考えると、細部まで見たいので大きい画面が良いし、クリアな大きな音で集中して見たい。
映画館が開館したら、見に行きたい作品もある。
精神疾患を患うものとして
「精神0」は老齢の精神科医のドキュメンタリー。
以前に「精神」という映画があったようだが、私はそちらは知らず、見逃してしまった。
それでも、見たいと思ったのは私自身精神科医にお世話になっている身だからだ。
予告で見たとき、お医者さんを辞めるというシーンで、人ごとではなく、これは自分にも必ず降りかかってくる問題だと思った。
実際、かかりつけ医が急病になり、1ヶ月ほど辛い思いをしたので、これは見ておきたいと思った。
精神科医として
この映画のメインは山本先生である。
そして、前半では山本先生が引退するにあたって、患者さんたちとどのようなやりとりをしているかが描かれている。
一人一人に寄り添って、患者さんになるべく良いように取り計らう。
精神科医の場合、私もそうだが、新しいお医者さんにかかるのにはものすごく、不安がある。
まず、怖い。
新しい人に会うのが苦手になっている上に、それが自分の一番弱いところを相談しなくてはならないとなると、もはや恐怖になってくる。
新しく主治医になる人に一緒に会ってほしい、という気持ちは痛いほどよくわかる。
毎回、精神科医にはちょっとお話するだけだが、それでも話ができれば安心する。
そんな存在がいなくなるのは、打撃だ。
特に山本先生のように丁寧に話を聞いてくれる先生に出会った人なら尚更だろう。
しかし、必ずいつかはその日は来るのだなぁ、と思いながら見た。
夫婦として
山本先生の奥様はやや認知症を発症されているようだった。
うちの母も認知症であり、その姿と重なって見えた。
しかし、山本先生は認知症ゆえの話のすれ違いやトンチンカンな行動に対しても決して、イライラすることもない。
そこには労わりの気持ちが見られた。
奥様は不安げに自分の手をさすり続けている。
そこには親友がいらっしゃった。
その親友は、困ったときには先生が相談もし、奥様の話を聞いたり定期的に訪れて様子を見ていらっしゃるようだった。
山本先生も彼女なしには、この生活はできなかったと言っていた。
やはり、誰でも一人で抱え込んではいけないのだ。
奥様は山本先生には言えないようなことでも、愚痴を親友に聞いてもらうことで元気でいられたようだった。
山本先生が仕事に奔走する裏で、奥様が苦労を重ねてきたことを先生はどんな思いで聞いていたのだろう。
翻って見たときに、私はどうだろうか、夫婦として労わり合ってきたろうか、と反省した。
これ、読んでるかな。
今までありがとう🙇♀️
これからもよろしくお願いします😉