【映画レビュー】パラサイトー半地下の家族 差別意識が表れるとき
アジア発アカデミーショー作品賞受賞作
やっと見られた。
ずっと見たかったのだが、ちょっと怖くてまだ見ていなかった。
最多4部門で受賞し、話題になったから知っている方も多いだろう。
ポン・ジュノ監督の作品だ。
ポン・ジュノ監督は見た感じはとても人の良さそうなお兄ちゃんとった風貌である。
しかし、彼の作品はスリラーだったり、ホラーだったりと、彼の見かけからは想像できないものが飛び出してくるのである。
私は以前、「殺人の追憶」も見たが、恐怖で戦慄したのを覚えている。
格差による嫌悪感
ここでは詳しく書いて、ネタバレになると面白くないので、ざっくりと書くと、私がこの作品で一番印象に残ったのは、差別意識が表れる瞬間である。
格差による差別意識、嫌悪感が表れる瞬間を、ポン・ジュノ監督は見事に切り取っている。
嫌悪感はふとした拍子にでるものである。
どんなに表面を取り繕っていても、さりげない動作にでてしまう。
それをよくわかっている。
主人公演じるソン・ガンホはその瞬間に感じ取った嫌悪に対する心の動きをみごとに表現した。
ソン・ガンホは「タクシー運転手」でも、主役を演じ、心の動きを表現することがすばらしい役者であることがわかっている。
ここでもその力を発揮した形だ。
最近の社会では
最近、社会では差別が問題になっている。
それは明らかにそうである場合もあるだろうが、私たちの心の内に知らないうちに巣くっていることもあるだろう。
それはしかし、あるときに行動になって表れてしまうのだ、という恐怖感を味わった。
自分の心の中を一度覗いて見た方が良いだろうと自省させられる作品でもあった。