【映画レビュー】「スミス都へ行く」Mr.Smith Goes to Washington 初心に返って。
政治の不正に対する怒り
この映画はスミスというレンジャー(ボーイスカウトのリーダーのような感じ)が、子どもたちに押されて、初めて上院議員となる話である。
はじめは完全にお上りさん状態だったスミスが、不正なダム建設に対して戦う話である。
アメリカの建国の精神を大切にしているスミスが、初々しい議員として世俗的な議員たちとの対比が印象的であり、私も初心に返らなければ、と思わせてくれる作品である。
この戦い方を見ると、徹底的に自分の体力をかけて、法に則って繰り広げている。
ただ大きな声を出せばいいのではない。
正しい姿勢で、粘り強く戦っているのだ。
子どもたちの応援
知事の子どもたちは食卓で、新しい議員選びについて、話題にする。
父親の知事にスミスは素晴らしい人だし、子どもたちに絶大な人気があるから、子ども一人につき有権者2人がつくよ、と説得する。
大変な熱意のある選挙活動である。
こうやって子どもたちは自然に政治に関心を持つのである。
そして、ワシントンへと旅立ったスミスへの期待も大きかった。
戦うスミスの話を聞いて、報道を妨害する大人に対して自分たちの力でなんとか不正を暴こうとする手伝いをするのは微笑ましくも、健気で涙が出そうになる。
子どもに恥ずかしくない政治を
子どもたちは正直で、率直な世論である。
誠実なスミスを全力で応援する。
故郷の子どもたちだけではなく、アメリカ中の子どもたちから激励の手紙が届く。
スミスはそれを見て、ますます頑張ろうと張り切るのである。
私たちの政治はどうだろうか。
国会中継を見ている子どもたちからは、呆れたとの反応も多い。
未来の有権者である子どもたちは思った以上に冷静に大人の振る舞いを観察している。