未来のコンパス

教育、環境問題についての思いや学びについて綴ります。

【映画レビュー】「12か月の未来図」

12か月の未来図 [DVD]

12か月の未来図 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: DVD
 

教育の格差=貧富の格差

この映画はドキュメンタリーかと思っていたら、ドラマだった。

しかし、かなり現実に即していると思われる。

舞台はパリである。

フランスでも格差は広がっており、それは子どもたちのも影響を与えずにはおかない。

主人公は名門高校のフランス語の教師である。

ある出来事をきっかけに、周辺の貧困地域の中学校へ1年だけの異動。

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「周辺校にベテランを!」という教育省のスローガンが正しいことを証明しにいくという設定である。

そして、そのあまりの違いに戸惑うところから物語は始まる。

 

教育はだれのため?

教育はもちろん子どもたちのためにある。

子どもたちを社会に適応できるようにするためにあるのでもない。

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だから、静かに座っていることを求めるのではなく、知的関心を喚起し、学習に向かわせるのは教師の力量である。

そのために、教師は様々なことを知っている必要があるし、インスピレーションを得るために同僚と話したり、自分の知見をさらに広げていく必要がある。

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型にはまった授業がつまらないのは洋の東西を問わず、同じようである。

主役の教師は徐々に子ども達の様子を観察し、興味を引くような課題設定ができるようになるのである。

 

教育の醍醐味

これは、教師が教師としての仕事を取り戻していく過程にも見える。

ただひたすら教え込み、けなしてばかりいた教師が成長していくのである。

ここには子どもも育ち、それとともに教師も育つ環境がある。

教師の問いがあり子どもたちの反応がある。

子どもたちどうしで反応し合い、化学変化を起こす。

これが教育の醍醐味である。

人と人との営みの面白さである。