【映画レビュー】「悪い奴ほどよく眠る」タイムリーな社会派・黒澤映画
スカッとしたい人にはお勧めしない
私は見終わって、むかっ腹を立てていた。
これが本当の社会だろう。
しかし、あまりにもひどいではないか。
でもやはりこれがおそらく事実に近いのだろう。
もちろん、ここで描かれていることはフィクションである。
しかし、あまりにもひどいではないか。
社会の真実を知りたい人には、いいだろう。
実際、これほどガッツがなくては巨悪に立ち向かっていくことはできないだろう。
そうだ。これは社会にの巨悪に立ち向かう人を描いた作品である。
同じような不正は昔から
今、週刊文春でスクープされた森友問題で自殺された近畿財務局の職員の遺書が話題になっている。
「悲しすぎる…」#森友 で自死職員の妻 #麻生 財務相「再調査せず」発言に#ヤフー に記事を出しました。どこまで遺族の心を踏みにじるのか…一方、亡くなった赤木俊夫さんの手記を掲載した #週刊文春 は完売御礼。#スポニチ に記事が。ご遺族も「すごい」と喜んでいます。https://t.co/0qN8UTxNYU
— 相澤冬樹 著書「安倍官邸 vs. NHK」発売中 (@fuyu3710) 2020年3月19日
この映画の題材も、庁舎建て替えに伴う汚職事件である。
庁舎から飛び降りた職員が1人亡くなっている、というところから話が始まる。
そしてこの汚職に密かに立ち向かおうとしているのが主人公、西(三船敏郎)である。
今回は志村喬は悪役である。
志村の悪役は珍しいのだが、本当に違和感なく志村の演技力には舌を巻く。
巨悪に立ち向かうには
この映画を見ていて考えたのは、巨悪に立ち向かうには仲間が必要だと言うこと、周到な計画をしていても相手に打ち勝つのは実に難しいということだ。
そして、今よりもマスコミはつっこんだ質問をしていたということ。
劇中の「ではその言葉が〇〇を殺したも同じだ。つまり暗殺だということじゃないですか。」といった内容のことを堂々と相手に問いかけている。
これが映画だからかもしれないが、全く当時のマスコミがこのようなことをしていないのであればこのようなシーンはなかったのではないだろうか。
今回の森友問題にしても、マスコミは及び腰で強い追及の姿勢を見せているところはほぼ無いだろう。
日本の社会のあり方はどこからこうなってしまったのか、そして変われないのはなぜなのか考えさせられる映画である。