【映画レビュー】蜘蛛巣城・黒澤映画の傑作の一つ
蜘蛛巣城≒マクベス
マクベスの翻案である。
ストーリーはほぼそのまま、場所を中世日本に変えただけである。
見事にマッチしており、全く違和感はない。
シェイクスピアの作品の普遍性がよくわかる。
黒澤映画の気合い
有名な見方に主人公が討ち取られるシーンは本当に矢を射ていると聞いた。
あの迫力は本当にやっていることからくるものだ。
また、「森が動く」を映像で見るとここまで恐ろしいものかとぞわっとした。
何度見てもぞっとする。
やはりCGにはない迫力ある演技がここにはある。
今はなくなってしまった時代劇の所作
時代劇の着こなしや鎧甲の作りなど、よく時代考証して作り込まれている。
足軽くらいでは袴など履かず、リアルである。
女性の化粧も眉を落とし、刷毛で掃いてある。
このような時代劇の化粧や言葉遣い、衣装など現代ではほとんど見られなくなってしまった。
時代劇が最近では薄っぺらいものになってきてしまっていることが実に残念である。