未来のコンパス

教育、環境問題についての思いや学びについて綴ります。

【映画レビュー】「ジョーカー」JOKER ゴッサムシティの心の叫びと対照的な挿入歌

 

今更ながらジョーカーを見る

公開当時子どもは14歳。

実は子どもが一番見たがっていたのだが、R15指定のため、涙を飲んで我慢していた。 

 この度、学校も休みだし、子どもも誕生日を過ぎ、15歳以上になったため、家族で見ることにした。

 

ゴッサムシティ

悪が蔓延り、乱れ切った街、ゴッサムシティ。

ここはバットマンの活躍する街である。

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舞台はそのゴッサムシティだが、バットマンが誕生する前であり、その宿敵、ジョーカーがなぜジョーカーになったか、というストーリー。

ゴッサムシティをバットマンで見ると、現代の中でも、荒れている街、という印象を持っていたが、ここで見ると今の世界の状況をそのまま体現した街のように見える。

バットマンを、私が見たのはもう20年くらい前になるから、その頃のゴッサムシティに現代社会が追い付いてしまった、ともいえなくもない。

そのゴッサムシティに暮らす、アーサーのような存在は今の社会にたくさんおり、リアル世界のジョーカーを生み出そうとしているかのようだ。

 

ホアキンの役作り

ジョーカーを演じた、ホアキン・フェニックスの役作りも素晴らしかった。

貧しいことが人目でわかるようなガリガリで骨の浮き出た体。

突然笑い出す発作。

全てがリアルで、背筋が凍りそうだった。

そしてチラリと見せる本物の笑顔。

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ジョーカーはジョーカーになるべくしてなったんじゃない。

ジョーカーになっていったのだ。

周りからだんだんと追い詰めていった結果、彼はジョーカーとして生きることを望んだ。

ありのままの自分に向き合った結果がそうなのだ。

狂気から殺人を犯したりはしない。

全て考えてのうえだ。

それが全く不自然ではなく素直に心に入ってきて、同情ではなく共感をよんだからこそ、この映画の大ヒットにつながったのだろう。

そして映画はバットマンへと続いていくのだろう。

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しかしそこには純粋な正義の味方はいないのだ。

 

挿入歌の明るさ

挿入歌について詳しくは他の方のページにお任せする。

bar-sea.com

ここで特筆したいのは、その背景と流れている曲のギャップである。

実に幸せな音楽、そして幸せそうに踊るジョーカーの心の内はそれとは正反対である。

そのギャップが心を抉ってくるのである。

この曲使いも秀逸だった。