【映画レビュー】「スラムドック$ミリオネア」SLUMDOG MILLIONAIRE
インド映画かと思いきや
先ず見る前に知っておきたいのはこの映画はイギリスの映画だということ。
なるほど、インド映画にある突然訳もなく心象風景として踊り出すシーンはほぼ皆無。
インドの貧困層の青年がクイズミリオネアに挑戦する中でその生い立ちや今抱えている問題を浮き彫りにしていくという筋立て。
なぜそのクイズに答えられるのか、貧しく、教育も受けたこともないような青年が…と言う不思議に一つ一つの出来事がその生い立ちの背景にあるという話である。
インドの急成長の裏で
インドは急成長している国である。
このような裏では貧困層が食い物にされ、被害を受けている。
そういうことを知るのに良い映画だと思う。
さらに、クイズに答える中で貧困層がどのような暮らしをしているのか、その子どもたちがどのような成長をたどっていくのか、一つの例となるだろう。
この話はあくまでもフィクションではあるが、インドという我々には遠く思える国について知るきっかけを与えてくれる。
インド映画ではないものの
インド映画では突然衣装やセットが変わり踊り出す、それもキレッキレの踊りである、というイメージがある。
しかし、この映画ではほぼ踊りはない。
イギリスの映画だからかもしれない。
それでも、「ええ~!このタイミングで踊るのかい!」というところがあり、それがすっきりとした余韻に変わる良いシーンとなっていると個人的には思う。
インドのダンスにあやかってインドへのリスペクトを感じさせるシーンでもある。
総合的に見て
この映画が、様々な賞をとっていることから見ても、本当によくできた脚本であり、ヒューマンドラマとしても、娯楽映画としても面白い。
懐かしのクイズミリオネアを見られるという点でも、懐かしく思える方もおられよう。
一度見てみることをお勧めできる良作である。