元教師の「学力をつける①」
週1、それも難しいようなら月1くらいのペースで丸つけしてあるテストやドリルを見てみよう。
算数・数学の場合
間違っているところに注目する。
怒るためではない。冷静に分析するためだ。大抵の場合、答えだけ直してある。それでは学力はつかない。
大切なのはどこで間違えたか
算数、数学でありがちなのは
- 問題の意味がわかっていない
- 問題の読み間違え
- 繰り上がり、繰り下がりの間違い
- かけ算の覚え間違い
- プラスマイナスの間違い
- 単純な計算ミス
おそらく保護者の方もしばらく、算数・数学に接することなく暮らしているだろう。解き方を教えられないという悩みを話される保護者もよくいた。
しかし、教えることはない。
一緒に考えて欲しい。実は先生だってしばらく教えていないと忘れることがある。しかし、何度も教えているうちに、先生自身にも定着していくのである。ベテランの先生が教えるのが上手いことが多いのは、その経験値がものをいうからである。
学校の算数の呪文
特に学校では時間がないため速さや一単位あたりの問題を「みはじ」「くもわ」など呪文のように教えるが、あれは間違った教え方だと断じるほかない。そもそもそれが何を表しているかを子どもが理解していないのだ。
例えば、自動車を運転していると時速60kmなら大人であれば、大体の人は1時間に60km進む速さだと理解しているだろう。しかし、子どもにはその実感がないのである。
そして今の学校にはそれを体感的に教えている時間はない。1平方メートルあたり、1Lあたりなども同様だ。料理をしたりしていれば、自然と理解できることなのだが、子どもにはその経験が欠けているため、学校では呪文を教えるのである。そしてそれは算数・数学嫌いを生む。
ぜひ家ではゆっくりと実生活に沿った話を交えたり、生活の中で、今「何時何分だよ、〜まであと何分ね」(時刻も子どもたちの苦手とするところである)などと会話を楽しんで欲しい。
根本的に学年が上がるとできなくなる場合は前の学年のことが定着していないことが多い。どこでつまづいているか、本人が特定するのは難しい。
うちでは高校生の子がいるが、高校の数学になるともう私はお手上げである。
そんな時は
答えを写す!
という裏技がある。子どもは授業でやっているので、大体のことは答えを見ればやり方を思い出す。
しかし、この場合、ここで終わりにしてはいけない。なぜなら「自分で解く」という作業をしていないため、経験値が不足するからだ。
できる子はたくさん解いている
知り合いの大学の先生に聞くと、数学の得意な子はなぜ得意かと聞くと「たくさん問題を解いたから。」と答えるそうだ。
やはり問題数をこなす必要がある。だから、一度解いた問題をもう一度、今度は自力で解くことが必須となるのだ。
ぜひ弱点を見つけて、一緒に克服する楽しみを味わって欲しい。